どの子もできるようになる向山型漢字指導

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向山氏は漢字スキルを使って以下のように指導するという。
私は、この「赤ネコ漢字スキル」を使って次のように指導する。
教師の指導時間は一日あたり、正味1分程度である。
<一日目>
「漢字スキル@を出して四つ練習しなさい」
三分後、指を空中に出させ、四つを空書き(30秒)
<2日目>
1日目と同じ。後半の四つを練習。
<3日目>
「漢字スキルのテスト練習問題をやりなさい」(5分後終了)
<4日目>
「漢字スキルのテスト@をやりなさい」
2分後、
「隣りの人の答案を採点しなさい」
1分後、
「テストの点を言いなさい。相田君・・・・・。」
(間違いをテスト裏に練習しなさい)
私の指導発言はこれだけである。
私がさらに、教え方教室などで学んだポイントは以下の通りである。
1 1日目、2日目のとき必ず声に出させて指がきさせる。
2 3日目の練習問題は15分時間を取る。読み仮名をまず書き、次に指書きをしてから練習を横にしていく。
これでほとんどの子どもは100点になるという。これ以外はやらないという。
私はそれまで「ためしのテスト」というものを実施してきた。漢字スキルのテストの部分を見てノートにテストをしてみて、自分で採点するというものである。これでほとんどの子どもが100点を取るようになった。向山氏が「これ以外はやらない」というので、今年「ためしのテスト」をやめてみた。すると一人70点や80点の子どもがでるようになった。どこが違うのか。
また、次のような事実もあった。通常、覚えた事は時間がたてば忘れていくものである。忘れないようになるためには当然反復練習が必要だ。赤ネコ漢字スキルの最後には「まとめのテスト」というのがあるが、この程度の繰り返しでは忘れてしまう。実際「ためしのテスト」をやっている時でも忘れている子どもがいた。漢字スキルだけで忘れずに定着するのだろうか。

現在、私は次の二つを可能性として考えている。

1 漢字の学習を家庭でやるようにいっていた。
 これは、正進社の「やる気わくわくチェック」の中に「毎日漢字の練習をやっている」という項目があることからの推論である。この「「やる気わくわくチェック」は「すべての子に向山学級の子どものような『学習技能』を育てるため」のものである。また、かつて「ツーウェイ」掲載された「あゆみ」にも同じ「漢字の練習を毎日やっている」という項目がある。「おうちで練習するんですよ」程度の事はいっていたのではないか。しかし、こういう形ではやる子どもとやらない子どもが出てきて当然である。すべての子どもに漢字の力がつくとは思えないが・・・・。

2 音読が反復の役割をしている。

 向山氏の方法でやると、教科書の進度より漢字のほうが早く進む事になる。「教科書にマルを10個書いて1回読んだら色をぬる」という方法があるように音読をしっかりやることが反復になっているのではないか。私のクラスでも、漢字の苦手な子どもは音読が苦手である。